私達が美味しく頂く、ズワイガニは深海にすむ水生のカニです。干潟や、河口のアシの生えている汽水域に、地面に30~40cmの穴を掘って生活するアシハラガニなどは陸生のカニと言います。そして、もう一つ、岩礁海岸に生息し、波うち際の水辺を駆け回って動いているの「イワガニ」は、半陸生のカニと言います。陸にいる方が長いのですが、海からは離れられません。イワガニを飼育する時の水は、海水なのでしょうか。

陸にいる時が長いのですから淡水でも良さそうなものです。実際淡水ならカルキを抜くだけで良いので、出来るならばそうしたいものですが、間違えてしまったら命にかかわります。詳しくご説明いたします。

イワガニは淡水で飼えるの?

イワガニ 淡水

結論から言いますと、イワガニは海水で飼育しなければなりません。水は海水を自分で汲んでくるか、人工海水を使用します。人工海水を作る場合、汽水のように淡水と海水が1:1のようなものは、多少の誤差は問題ありませんが、海水の場合の一番の問題は、海水と同じ濃度にしなければならないでという事です。

人工海水の希釈の目安は、真水1リットルに対し、35グラムとなります。しばらくして海水が蒸発して、水が少なくなってきた場合、その水は塩分濃度が非常に高い状態ですので、継ぎ足す水は海水ではなく、カルキを抜いた水を加えて下さい。水換えは二週間に一度程度、1/3程度の海水を作り入れ替えをして下さい。できれば、ろか装置よりも頻繁な水換えをオススメします。海水の場合とても難しいのが、生物ろ過といわれるバクテリアの繁殖です。熱帯魚を飼うようには上手くいかないかもしれません。

それは、熱帯魚の場合はある程度の水量がある為、上手くバクテリアも繁殖しやすいのですが、イワガニは陸に上がっている時が多いので陸を広く取らなければなりません。その為、必然的に陸よりも下になる海水の水量が少なくなってしまい、餌の食べ残しなどあると、直ぐに水が濁ってしまうのです。イワガニは水質の悪化に敏感に反応します。餌を食べなくなってしまったり、弱ってします。その為、水を清潔に保つようにするのが大事な事です。

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しかし、カニは水換えをすると脱皮する傾向にあります。急に大量の水を極端に交換すると、カニに負担をかけてしまい命を落としてしまう事もありますのでご注意下さい。

まとめ

マメに水を交換するか、底面ろか装置を設置するかのどちらかの選択になりますが、ろ過装置を設置した時は、蓋の部分の隙間にご注意下さい。カニがコードを辿って隙間から脱出してしまい、命を落としてしまう事故が多くあります。海水でしか生きる事の出来ないカニを飼う事はとても大変です。愛情をもって手をかけてやらなければなりません。

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