この食べ物を世界で一番に食べた人は、いったいどんな人で、どういう状況だったのだろう?と不思議に思う事はありませんか。例えば、お寿司の高級食材として名高い「ウニ」は、あのトゲの中にあるものを食べてみようと考える、そのチャレンジ精神のお陰で今の私達の幸せがあると、深い感謝をするしかありません。縄文時代の貝塚から、ウニの残骸が発見されているそうで、縄文時代の人との時代を超えた親近感すら感じる事が出来ます。同じ様にあの硬い殻で防御され、おまけに大きな鋏をもつ、カニを食べようと思った人はかなりのチャレンジャーです。しかし、その歴史は古く、今から約1300年前にさかのぼります。

そして、その食べられていたカニこそが、「アシハラガニ」だった可能性があります。詳しくご説明いたします。

アシハラガニの食べ方

アシハラガニ 食べ方

現在ではヨシ原や干潟にすむこの「アシハラガニ」を食用にする事はあまりありませんが、万葉集にアシハラガニの事が明記されるほど、食用の歴史は古くからあります。この万葉集の一節に、今から食べられてしまうアシハラガニを哀れむ言葉があるのです。佐賀の郷土料理に、「がん漬け」という料理があります。これは、カニをまるごとすり潰した珍味とされます。

普通はマガニとよばれるシオマネキという種類のカニが使用されますが、その代用としてアシハラガニが使われる事があります。アシハラガニをよく洗った後で、まるごとすり潰し、塩やトウガラシと混ぜ合わせてねかせる塩辛のような食べ物です。塩を十分に使うので、保存食として重宝されています。独特の風味があり珍味として人気があり、地元では白い御飯にのせるのが一番うまいという人が多いのも頷けます。

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実は、万葉集は、がん漬けで、カニをすり潰す様子をみて哀れんだのではないか、そしてあまりに美味しいので、その作り方を残しておいたのではないかとさえ言われています。

まとめ

私達がよく食べるカニの一つに、タラバガニがあげられますが、歴史は浅く、明治時代以降です。それよりずっと前の少なくても平安時代にはもう食用となっていたアシハラガニには驚かされます。現代では、タラバガニやズワイガニにおされ、あまり食用には使われませんが、食べる事に問題はありません。しかし、川の上流に生息するサワガニは、ジストマという寄生虫がいるのは有名で、決して生で食べてはいけません。70度以上の加熱が必要となってきます。

そういうことで、よくから揚げとして食べられているのです。アシハラガニを始め、ほとんどのカニは食べる事が出来ますが、食用に適さない種類のカニもいますので、カニを食べる時は、キチンと知識のある人か、料理の専門家にお任せして、私達は美味しく頂くだけにしましょう。

 

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