磯の石をどけると、時々カニが下に隠れている事があります。まさに名前の通り、岩礁海岸に生息し、波うち際の水辺を駆け回って動いているのが「イワガニ」です。イワガニはイワガニ科イワガニ属に分類される、甲羅が3.5cmほどの小さいカニです。日本では北海道以南から本州全域にかけて分布しています。比較的簡単に捕まえる事が出来ますので、お子様に持って帰りたい!と言われることも多いカニの一つかもしれませんが、どのように飼ったら良いかとてもわかりづらいカニでもあります。お子様の情操教育に生き物を育てる事は、大いに役に立ちます。

ぜひ少しでも長生きさせてあげられるように、飼育してみて下さい。その為に注意しなければならない事をご説明いたします。

イワガニの飼育

イワガニ 飼育 餌

イワガニの飼育のために一番大切な事は、飼い始める前の環境作りにあります。それは、イワガニは半陸性ガニと言って、海と陸を生活圏としている事がポイントになります。その為、広めの陸が必要となってきます。その点で問題になる事は、陸地を作るとそれよりも下に水位を下げなければならないという事です。水質の安定は、ある程度の水量がないと難しいので、直ぐに汚れてしまうケースが多いのです。イワガニはほとんどを陸上で過ごすのですが、水質の悪化にはとても敏感なカニです。水が汚いとすぐに弱ってしまいます。マメに水を交換するか、底面ろか装置を設置するかのどちらか一つを選びましょう。

もう一つ大事な事があります。それは、イワガニを長期で飼うことを望むのであれば、飼う数はできるだけ少なめにしなければならない、という事です。脱皮の時の無防備な時に攻撃を受けやすくなってしまうからです。ですから、大きめの水槽に、隠れ家や石を設置した陸地を広く作る事が大事な事です。

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イワガニの餌

餌は必ず、陶器など浮かばない餌皿を準備します。直接入れてしまうと水質の悪化につながります。餌は煮干や、干しえびが人気ですが、ザリガニの餌や、海水魚用の人工餌などを与えます。イワガニは雑食性ではありますが、動物性の餌と、植物性の餌をバランスよくあげて、なるべく飽きさせない工夫をして下さい。

まとめ

カニは特にデリケートな温度管理は必要とはしませんが、高温になり過ぎることは危険です。直射日光の当たるところは控えましょう。冬は15度以下にならないように注意しましょう。熱帯魚用のヒーターを水に入れると、カニが陸にあげてしまう恐れがありますので、シートタイプをオススメします。大きな水槽と、適度な陸地、隠れ家の設置と、マメな水交換、冬の温度管理。たかがイワガニといっても、生き物を飼うということは大変な事です。

もし、飼うのが大変だと感じましたら、必ず元の場所に帰して下さい。海ならどこでもいいだろうというお考えは間違いです。別の場所だと、地域の遺伝子に影響をあたえてしまう恐れがあります。

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