海岸で石をひっくり返すと顔を出す「イワガニ」は、活動的で人間から逃げる為に一目散に逃げまわり、巣穴に飛び込みます。しかし、そこで逃げられたと諦めてはいけません。少しすると、様子を伺いにまたおそるおそる顔を出します。その姿はイワガニを捕まえている時に見られる、とても可愛い行動として知られています。もし、あなたがそんなイワガニを捕獲して、飼うことを考えた時に思う事は、いったいどれくらい生きるのだろうかという事だと思います。しかし、カニの寿命はあまりはっきりとは調べられておらず、まだ研究の余地のある分野であると言えます。とは言っても大体把握されはじめたカニもいます。
たとえば、川の上流に生息する淡水のカニのサワガニは10年生きると言われていますし、同じく淡水で飼育可能のベンケイガニや、アカテガニも同じくらいの寿命です。一方、海水で育つカニで長寿なのが、タラバガニで寿命は約20年と言われています。(しかし、タラバガニは正確にはヤドカリの仲間です)次に私達になじみがあるズワイガニは約15年と言われています。カニはなかなか長生きの生き物のように思えますが、それでは、肝心のイワガニの寿命はどれくらいなのでしょうか。ご説明いたします。
イワガニの寿命
カニの寿命でネックになってくるのが「脱皮」です。脱皮時には戦国時代の武将が鎧を脱いで合戦に出かけるくらい、無防備な状態になります。その時に外敵に襲われてしまい命を落とすカニが多くいます。脱皮はそれほど命がけの行為です。その為、野生のイワガニについてのデータを取るのが難しく、はっきりとした寿命はまだ解明されていません。ただ、飼育下においては、平均して2~3年生きることは出来るようです。しかし、サワガニ等の長寿といわれるカニよりは短命と言えるでしょう。イワガニと、とても良く似ていて、釣具店では、チヌの餌として販売されているカニのケースの中には、同じカニとして混ざって売られていることのある、イソガニも同じく、3年程の寿命とされています。
しかし、飼育で5年間生きていたという報告もあり、イワガニもきちんとした飼育次第では同じ様に生きる可能性もあります。しかし、条件は脱皮時に他のカニに攻撃を受ける事は無い状況が必要となってきます。
まとめ
イワガニの飼育データが少なく、寿命に関しては不明点が多い部分もあります。というのは、逆にいつでも確認する事が出来て、身近すぎるという事もあるのかもしれません。イイワガニは飼育をしていくうちに、人になれ始めとてもかわいい存在になります。水辺を素早く走り回る元気で活動的な姿は、魚を飼う事とは違った面白さを感じる事が出来ます。
普段はほとんど陸上にいて、水はあまり関係がないように思いがちですが、水質の変化にとても弱く、直ぐに弱ってしまします。飼育する場合の注意点を守って大事に飼えば、きっと長い間、私達の事を楽しませてくれます。