皆さんが思い浮かべる「カニ」と言えば何だろうか。
ズワイガニ、毛ガニ、生物学上はヤドカリだが…タラバガニなどがいる。
カニは世界では約7000種類弱いると言われており、ザリガニやロブスター、ヤドカリなどの仲間を入れると約10000種類弱いると考えられている。
生息地も様々で極限から熱帯、深海や陸地まで実に幅広く生息している。
さらに大きさも数ミリのものから3メートルを超えるものまで多くの種類が分布している。
今回はそんなカニの中でも少し変わった生態をしている「アカテガニ」について紹介してみたいと思う。
アカテガニは、十脚目ベンケイガニ科に分類されるカニの一種で中型のカニで、海岸周辺の湿潤な地域に生息していて成体は甲羅の幅が30mm前後に達し、オスの方がメスより大きく名前の由来の通りハサミの部分だけが赤くなっている。
詳しい生息地域は中国東部、台湾、朝鮮半島、日本に分布する。日本では本州から南西諸島までに分布し、海岸や川辺に多く生息する。
アカテガニの産卵時期が決まっているのはなぜだろう
アカテガニが一番変わっている部分と言えば産卵だろう。
アカテガニは陸上生活に高度に適応しているが、成長の過程の中で、一時的に海中で生活しなければならない時期がある、それが産卵の時期だ。
春から夏にかけてメスは産卵し、小さめの卵を腹脚にたくさん抱え孵化するまで保護する。
成長が進んだ黒褐色の卵を抱卵したメスは海岸に多数集まってくる。
それがなぜか7~8月の大潮(満月か新月)の夜、満潮の時間に合わせてメスが海岸に集合するのだ。
メスが体の半分ほど水に浸かって体を振動させ、腹部を開いたり閉じたりすると卵が破れゾエア幼生と呼ばれるエビのような姿をした子供達が引き潮に乗って海へ旅立っていく。
これは、月の光で体内時計を調節して大潮を予測して子供たちを引き潮に乗せるために満潮の時間に海岸まで命がけで歩いて向かうのだ。
まとめ
様々な生態を持つカニたちの中でも、珍しいアカテガニの産卵、月の光がどのような作用を引き起こしてアカテガニが海岸まで行くのかは、よくわかってはいないがアカテガニの不思議な生態は日本でも見ることが出来るので、ぜひ一度は見てみたいものだ。